「症状固定」とは、傷病の症状が安定し、医学上一般に認められた医療(基本的に実験段階又は研究的過程にあるような治療方法は含まれません)を行っても、その医療効果が期待できなくなった状態、つまり、その傷病の症状の回復・改善が期待できなくなった状態を言います。

したがって、「傷病の症状が、投薬、理学療法等の治療により一時的な回復がみられるにすぎない場合」など症状が残存している場合であっても、医療効果が期待できないと判断する場合には、「症状固定」とし、残った症状については、これを後遺症と考え、後遺障害等級認定申請をすることになります。

この一進一退の状態が、まさに「症状固定」の状態といえます。
そして残ってしまった症状を「後遺症」といい、その「後遺症」が「後遺障害等級」として評価されるものかどうかを手続きによって申請することになります。

また、「症状固定」を賠償関係から見た場合、それは、賠償期間の終期を意味します。

つまり、「症状固定」をすると、治療期間が確定され、以後の治療費は基本的に請求できなくなります。

以上ご説明したように、「症状固定」は医学上の問題だけでなく、賠償関係における問題をも含むため、被害者にとっては極めて大事なタイミングと言えます。

お医者様の意見もよく聞いて決めていく必要があると思います。

よく問題になるのは、症状固定後の治療についてですが、症状が依然として残っており、リハビリ等で一時的にでも症状が改善する場合などは、健康保険を使用して治療を受けることが出来ます。

残った症状つまり後遺症は持病(私傷病)と同じ扱いになります。